2016年9月11日日曜日

ヘッドホンアンプHPA-12の製作(1)

今年5月からオーディオ関連の電子工作をやりはじめ、ヘッドホンアンプもいくつか作ってきました。

しかし、手持ちのOlasonic NANO-D1に勝るものはさすがに作れず(アマチュアなので当たり前ですが)、いつかはこれに対抗できるようなしっかりしたヘッドホンアンプを1台作りたいと思っていました。
そこで偶然見つけたのがHPA-12(外部リンク)というヘッドホンアンプ。
これはtakazineさんという方の設計になるもので、回路図をはじめとするさまざまな情報が公開されており、基板の頒布もあり、自分で部品を集めてある程度アレンジしながら作ることができるというフルディスクリートのヘッドホンアンプです。
ディスクリートのアンプを自分でゼロから作る自信は無いので、勉強も兼ねてこれに頼ることにしました。

早速スイッチサイエンスで基板を1枚購入し、秋葉原で部品集め。できたのがこちら。


回路は基本的にこのページ(外部リンク)と同じですが、初段は2SK2145、終段はTTA004B/TTC004Bに変更しています(ちなみに現在はTTA004B/TTC004Bに最適化された回路図が公開されていますが、私がこれを作った7月下旬にはまだありませんでした)。

また、A級アンプなので発熱が多かろうと思い、無線部の部室に転がっていたアルミ板を適当に加工した放熱板を付けました。

さて、これをトランス電源に繋いで聞いてみました。
構成は、
Win10 ノートPC (AIMP4  WASAPI排他モード)→NANO-D1(LINE出力)→HPA-12→K712PRO
という感じです。

最初はとんでもなくザラザラした感じの音でしたが、半日ほど音楽を流しっぱなしにしておくとクリアになりました。電解コンデンサのエージングというやつでしょう。
このアンプはDC直結ですが、安定してからのDC漏れは左右ともに±1mV程度と全く問題ありません。

解像度はけっこう高く、立体感もあります。パワーもじゅうぶんで、比較的高インピーダンス低能率な私のヘッドホンもじゅうぶん鳴らせています。DC直結なので低音はよく出ています。
ただ高音が全然出ておらず、K712の特長であるきれいな高音が楽しめません。また、中音域は少しガヤガヤしてうるさく、あまり音量を上げたくない感じです。
また、低インピーダンス&高能率なイヤホンでは少しハム音が聞こえます。常用しているK712PROでは全く聞こえないので問題ないといえばそれまでですが。

あと、想定よりも発熱が多く、上の写真で放熱板の後ろに写っている電解コンデンサ(85℃品)がちょっと心配になります。

そうそう、書き忘れていましたが、普通に音楽を聞くうえで重大な欠陥がありました。これはアンプ自体が悪いわけではなく私の単なるミスですが、ボリュームに10kΩAのもの(Linkman RD925)を採用したところ、音量調整が極めて難しいアンプになってしまいました。ボリュームを完全に絞ったところから少し回すとすぐ爆音になってしまいます。しかも、ボリューム9時くらいまでは若干左右の音量差も感じられます。これも要改善ポイント。

というわけでこの時点では目標とするNANO-D1の音には全然及びませんし、発熱が多すぎるので安心して使えません。そこで、このアンプをどんどんいじってしまいました。1か所変更するたびに試聴が必要ですし、改良のつもりが改悪になってしまうこともしばしばあって意外に大変な作業でしたが、かなり好みの音に近づいたと思います。

続き: ヘッドホンアンプHPA-12の製作(2)

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