2016年11月13日日曜日

実験用電源の修理(松定プレシジョン PLE-36-1.2)

大学の某研究室が捨てるというのでもらってきた実験用安定化電源。




松定プレシジョンのPLE-36-1.2という製品です。型番が示す通り最大36V1.2Aで、薄くて使いやすそうです。
しかし、捨てられるくらいですから当然壊れています。


電流ツマミを回しても定電圧モードに入らず上の画像の状態のままで使えません。電圧計は0.5~0.7Vを示しますが、テスターで測ってみるとなぜか負電圧が出ていました(+端子から-0.5V…)。

しばらく部室に放置していたのですが、この土日に家でじっくり見てみようと持ち帰りました。



中身は新品のようにキレイです。爆発したり焼き切れたりしたような部品があれば話が早いのですが。
さて、回路図も持ってませんし、どうしましょう。
どうしようもないようだったら、部品取り用にしようかと思っていました。大きなRコアトランスが魅力的です。

しかし本当に外見がおかしい部品がないか、もう少しじっくり見ていると…
ん?


このブリッジダイオード、えらく傾いていますね。
ちょっと指で押してみると動きました。これはいけない。
なんとこのブリッジダイオード、足が2本しか基板についていませんでした。浮いている2本を見たところ、ハンダが取れたのではなく今まで1度もハンダが付いたことがないようです。
基板にはハンダが付いている(自動ハンダ)ので、ハンダ面をざっと見たとき不良に気づきませんでした。
なぜこんな状態で電源が入ったんだ?と思いましたが、よく見るとこの不良部とは別に小さいブリッジダイオードが付いていました。デジタル電圧計等の電源は別系統だったんですね。

というわけで、早速直します。
ハンダを取って


ブリッジダイオードの足をさしこみハンダを付け直す。



これで無事に直りました。今後の実験に活用したいと思います。
下の画像は15Ωのセメント抵抗を繋いでテストしているところです。


…で、ここまであえてはっきりとは触れていなかったのですが、これは故障ではなくただの不良品ですね。おそらく最初は基板のランドとブリッジダイオードの足がなんとなく接触していて使えたものの、何かの拍子に接触がなくなってしまい廃棄にいたったということでしょう。

今までいろいろな製品の修理をしましたが、初期不良品に当たったのは初めてでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿