2018年1月5日金曜日

テルミンの設計と製作(2)低周波部


さて、今回はテルミンの低周波部について解説します。
高周波部はシミュレーション通りにいかないことも多く、いろいろと試行錯誤が必要で意外に面倒でしたが、低周波は大体思ったとおりに動いてくれるので気が楽ですね。
低周波部の回路はこんな感じです。



まず、前回触れたDBMの出力からです。
このDBMの3pin出力はエミッタフォロワなので、適当な抵抗を1本外付けしてやれば信号が取り出せます(※2pinからコレクタ出力も可能)。ここではデータシート通りの510Ωを使っています。
DBMの出力には高周波も含まれているので、まずはLPF(ローパスフィルタ)で音声信号だけを取り出します。出力電圧は100mVpp程度なので、オペアンプで適当に増幅します。
単電源なので反転増幅の方が楽に作れるはずですが、普段よく使う非反転増幅を何も考えずに採用してしまいました。
このあたりは疲れていたのか、全体的に適当で筋の悪い設計になっており若干恥ずかしいです。改良の余地があちこちにありますね。

まあいいでしょう。

さて、前回途中まで触れた音量調整についてです。
倍電圧整流でできた直流電圧をオペアンプで適当に増幅してやり、アナログフォトカプラに入れます。
アナログフォトカプラはLEDとCdSセルが向かい合わせになった素子で、電流の変化を抵抗値の変化に変換することができます。このCdSセル部をボリュームとして使えば音量制御はバッチリです。やったぜ。
フォトカプラ用のオペアンプには、入出力レールtoレールで±250mAまで出力できるAD8532を使いました。音量最大時にはフォトカプラのLEDに20mA程度流れます。
アナログフォトカプラの代わりにFETを使うのも良さそうです(むしろそれが普通か)。

というわけで、音声信号はアナログフォトカプラ内のCdSセルを使ったボリュームと普通の可変抵抗を通り、もう一度オペアンプによるバッファを経由して出力されます。出力のオペアンプは安くてパワフルなNJM4556Aを使っており、直接イヤホン・ヘッドホンを駆動することもできます。

メイン基板はこんなところでしょう。ここまでがテルミンの主要部分でした。

製作風景を1枚。


やらせ写真です(工作中の机がこんなにきれいなわけがない)。


次回はエフェクター基板について書きます。

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