サブシステムに使っているLM3886アンプを置き換えるべく、ディスクリートパワーアンプを自作しました。
回路図(1ch分)はこちら。せっかくなので最近流行の電流帰還アンプにしました。
素子数はそこそこ多いものの、定電流回路やカレントミラーを除いて考えるとそんなに複雑な回路ではありません。エミッタフォロワ→1段増幅→3段ダーリントンという構成です。ゲインは約18dBです。
電源電圧の変動を抑えるため、終段以外の電源にはリップルフィルタを設けました。
回路図左上のエミッタフォロワの定電流回路に付いている半固定抵抗RV1は出力のDCオフセット調整用、回路図中央のRV2は終段のバイアス電流調整用です。
この回路を2つ載せたステレオアンプのプリント基板を作りました。
サイズは秋月電子のB基板 (95×72mm) に合わせてあります。GNDの引き回し等の関係でどうしても1枚の基板に2chのアンプを入れたかったので、基板設計はかなり頑張りました。部品と配線をただ詰め込むだけでなく、電流の行き帰りを意識し、大電流の流れるライン(終段の電源や出力)が他の配線に与える影響をできるだけ小さくするよう配慮してあります。
スルーホール型のトランジスタは製造終了ばかりなので、SMDを積極的に採用しました。主に使っている2SC3324/2SA1312は、オーディオ用として有名な2SC2240/2SA970の同等品です。カレントミラー部にはデュアルトランジスタ(HN1C01FU/HN1A01FU)を使ってみました。
終段トランジスタのフットプリントはTO-220サイズですが、穴径をすこし大きくしたため上の画像のようにTO-3Pも使えるようになっています。リードフォーミングは少し面倒ですが…
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以下、試作の過程など。
こちらは試作1号機。
この1号機をいじくりまわしながら回路を固めました。度重なる改造を経て裏面もグチャグチャです。
次に試作2号機。PCBを設計し、何か別の基板に相乗りさせてPCBGOGOに発注しました。本来はこの2号機で完成のはずでしたが…
正常動作は確認したものの、パターンや穴径などどうしても修正したいところがいくつかあり、FusionPCBに3号機を発注しました。その3号機が最終版(上に紹介した基板)となりました。
次は電源やスピーカー保護などの周辺回路を紹介します。
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