2022年4月15日金曜日

Si5351Aの不審な動作?

クロックジェネレータSi5351Aを安く買えて喜んでいたのですが、なぜかマイコンから指定した動作をしてくれず困りました。解決したので書いておきます。

症状は以下の通りです。

  • I2C通信をしなくても勝手にクロックが出力される
  • データシートにあるアドレス (0x60) でI2C通信ができない

リファレンスクロックを27MHzとしたとき、勝手に出力される周波数は 
CLK0: 53.08 MHz
CLK1: 25.918 MHz
CLK2: 48.767 MHz
でした。Si5351Aとの組み合わせとして標準的なリファレンスクロック25MHzに換算すると、
CLK0: 49.15 MHz
CLK1: 24 MHz
CLK2: 45.15 MHz
になります。49.15MHzは48kHzの1024倍(正確には49.152MHz)、45.15MHzは44.1kHzの1024倍(正確には45.1584MHz)で、デジタルオーディオ用のクロックです。
また、I2Cアドレスをスキャンしてみると、このSi5351Aのアドレスは0x62であることが分かりました。

ここで改めて、購入したSi5351Aを見てみると、

部品名に怪しい末尾があることに気付き、データシートをよく見たら...


どこかの大口顧客のためのカスタム品らしいことが分かりました。安いのにはワケがあったのですね。
そうと分かれば何ということはなく、
  • 電源を立ち上げただけでクロックが出力される
  • I2Cアドレスが違う
の2点を許容できれば普通のSi5351Aとして使えます。
個人的な電子工作用・実験用としては特に問題ありません。

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