2020年7月14日火曜日

電子負荷の設計と製作 (2) 回路

前回の記事で紹介した自作電子負荷装置の回路について。
まずは全回路図を下に示します(クリックで拡大)。

小さめのケースを使ったせいもあり、中身はかなり雑然とした雰囲気です。秋月C基板(電源関連)1枚、秋月B基板(マイコン関連)1枚、C基板サイズの自作プリント基板1枚という構成になっています。


簡単な説明は上の回路図中に書き込んでしまったのでもう何も足さなくていいかなと思ったのですが、せっかくなので部分ごとに解説していきます。

電源
12 Vの汎用ACアダプタを使います。内部の電源は5系統です。

・+12 V ①

ACアダプタから供給されたままの電源。ファンとリレーの駆動に使用。

・+12 V ②

+12 V①にコモンモードチョークを入れてノイズを抑えた系統。オペアンプ用。

・-12 V

+12 V ①から絶縁DC-DCコンバータで生成しコモンモードチョークでノイズを抑えた負電源。オペアンプ用。

・+5 V

+12 V②からリニアレギュレータで作ったもの。DAC/ADC/デジタルポテンショメータ用。

・+5 V_MCU

+12 V ②からリニアレギュレータで作ったもの。マイコンとその周辺回路用。

電源スイッチはDPDTのトグルスイッチですが、直接電源ラインに入っているわけではありません。片方はPMOS (Q5) のゲートを制御し、もう片方はマイコンに繋がっています。こんな面倒な回路になっているのは、電源スイッチを切ったときに設定を自動で保存する時間を稼ぐためです。


電源スイッチを入れるとまずQ5のゲート電位が(ほぼ)GNDに落ちて電源が供給され、マイコンの指示によりU8のフォトカプラがONになります。電源スイッチを切るとマイコンは設定情報を内蔵EEPROMに書き込み、その後U8をOFFにします。この動作により、確実に設定を保存しておくことができます。

マイコンとその周辺回路

Arduino nano の激安互換品を使っています。このマイコンでロータリーエンコーダ・各種スイッチ・ブザー・リレー・温度センサ・ファン・デジタルポテンショメータ・DAC・ADC・LCDを制御しています。デジタルポテンショメータ・DAC・ADC・LCDは全てI2C制御のものを使っているので配線は楽です。

LCDには電流・電圧・電力・抵抗値・モード・状態 (入力のON/OFF) を常時表示します。

温度センサで入力制御FET (Q3) の温度を常時監視しており、FETの温度が50℃を超えるとファンが回り始め、45℃以下になると止まるようになっています。

USB miniB端子でパソコンと接続すると、シリアル通信で電圧・電流・FETの温度を毎秒送信します。

入力制御部 (本丸)
ここは電子負荷の核心部なので、プリント基板を作りました。動作しないようなミスは無かったもののいくつか考えの足らない部分があり、結局パターンカットによる修正を数か所おこないました。一発で完璧な基板をつくることはなかなか難しいです。



回路は基準電圧と電流検出抵抗の両端電圧が等しくなるようにオペアンプがFETを制御するだけのもので、とくに変わったところはないと思います。大電流が流れる部分と微小な電圧を扱う部分が共存するので、共通インピーダンスに注意して配線する必要があります。




定電流モードでは、DAC (MCP4726, U1) の出力をR4, R5で分圧して1/10にした電圧を基準電圧とします。

定抵抗モードでは、入力電圧をデジタルポテンショメータ (MCP4018, U2) で分圧して電流検出抵抗の電圧と比較します。この方式だと入力から見た抵抗値をリニアに変えられないので若干使いづらいですが、妥協しました。せめてもう少しデジタルポテンショメータのタップ数が多ければどうにでもできるのですが。

外部入力モードでは、背面のBNC端子から入力した電圧を電流検出抵抗の両端電圧と比較します。

ADC (MAX11644, U7) では、電流検出抵抗の両端電圧(を10倍したもの)と入力電圧(を1/10にしたもの)を常時測定します。
DACとADCは共に12 bitで基準電圧は4.096 Vなので、1 mV単位での測定ができます。

入力はヒューズとリレー(F1, K1) で2重に保護されており、入力電圧40.4 V以上 or 入力電流4.04 A以上 or FET温度90 ℃以上で自動的にリレーが切れます。

ヒューズを交換しやすい位置に配置するのもちょっとした工夫です(下図)。今のところ切れたことはありませんが…


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こんなところでしょうか?
妥協した部分もあるとはいえ、全体的にはうまくまとめられた作品だと思っています。全体的にはオーソドックスな回路ですが、アマチュアが省略しがちな保護回路もいろいろと組み込んでいるのがちょっとしたプラス点かもしれません。
電子負荷は1台持っておくとなにかと便利です。とりあえず電池の容量でも測って遊んでみようかなと思っています。

電子負荷の設計と製作 (1) 概要

ちょっとした電子負荷を自作したので紹介します。
主な特徴
・最大40 V, 4 A
・定電流・定抵抗・外部入力の3モード
・過熱・過電流・過電圧保護回路内蔵
・温度制御ファン×2
・USB接続でPCにデータ送信可能
外観
ケースにタカチのYM-180を使ってコンパクトに仕上げ…たつもりでしたが、外付けヒートシンクとファンのせいであまりコンパクトには見えなくなってしまいました。


LCDの上に160 Wと書いてありますが、これは単に40 Vと4 Aをかけただけの値で、実際に160 Wの連続入力に耐えられるかどうかは怪しいところです。自宅には40 V, 4 Aを出力できる電源がないので試験できていません。

背面・底面はこんな感じです(下図)。


操作性や液晶画面の視認性を良くするため、ケース底面にはタカチのチルトスタンド CT-2 を取り付け、パネル面を上に向けられるようにしてみました。これは実際に便利で、しかもカッコいいのでおすすめです。
また、底面には小さいファンがひとつ付いており、底面から空気を吸い込んで背面の穴から排出します。

動作
上記の通り定電流・定抵抗・外部入力の3モードを備えています。定電流モードでは1 mA単位で4 Aまで4000ステップ、定抵抗モードでは約10 Ωから約1 kΩまで127ステップで設定できます。定抵抗モードは設定値が中途半端でしかも間隔がリニアではないので若干使いづらいですが、回路の都合で妥協しました。


緑のロータリースイッチでモードを設定し、その左のロータリーエンコーダで電流/抵抗値を設定します。ロータリーエンコーダの左下の小さいタクトスイッチを押しながらエンコーダを回すと、設定値が10倍の速さで変化します。

入力電流が4.04 A以上、または電圧が40.4 V以上、またはFETの温度が90℃以上になると保護回路が働いて入力を切り離し、ブザーと赤LEDの点滅で警告を発します。


筐体の上下についているファンは終段のFETが50℃以上になると回り始め、45℃以下になると止まります。

次回は中身の回路について。

2020年6月30日火曜日

海外通販の荷物トラッキング記録

私が利用した海外ネット通販の荷物の追跡記録です。単なる備忘録ですが、何かの参考になるかもしれないので公開しておきます。配送業者ごとにフォーマットが違うのは仕様です(各運送業者のウェブサイトからコピペしているため)。
届け先は全て東京23区内です。
気が向いたら随時更新。


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