2016年1月31日日曜日

千葉県立現代産業科学館 アマチュア無線の展示を見てきた

千葉県市川市にある千葉県立現代産業科学館で今年1月19日から2月14日まで、「アマチュア無線機 ~真空管からトランジスタへ~」と題された展示が行われています。

今日はそれを見に行ってきました。


科学館に入るには入場料が必要ですが、今回アマチュア無線の展示が行われているサイエンスドームは無料で入れる区域です。

入ると左手に「アマチュア無線とは?」というちょっとした紹介パネルがありますが内容が抽象的(「アマチュア無線の定義とは…金銭的利益を目的とせず…」などと書いてある)で、正直言ってアマチュア無線を知らない人が見てもさっぱりイメージできないだろうという感じでした。

正面ではJARLが制作したビデオが流されていました。こちらはアンテナや交信中の様子が次々に映し出されていて見応えがあります。画面の下には「アマチュア無線ビギニングガイド」なるパンフレットがありました。



さて、この企画のメインは無線機の展示です。順路どおり進むと、

ペリーが日本に持ち込んだ電信機の複製
JRC JST125S
TRIO TS500
同 TS520X
YAESU FTDX100
同 FT101S
TRIO TR5000
井上(現ICOM) AM3D
TRIO TR1000

の順で見ることになります。どれも美品でした。

ただ、ここの無線機の説明文にも、一般の方には少し分かりにくいかな?と思う箇所が散見されました。
例えば、JST125Sの説明文に「…CW(電信)の音が良く…」と書いてあるのですが、アマチュア無線をやっていない人にとっては「CW」も「電信」も分からないことに変わりはありません。ここは「モールス信号」などと書いて平易にすべきだったのではと思いました。

いろいろな無線機を揃えた展示自体は良かったと思うのですが、どんな人が見に来るのかを想定しきれていないせいで説明文が中途半端になっている感じが否めないと思いました(アマチュア無線家が見るにはもの足らず、それ以外の人が見ると訳が分からないかも)。

少し文句のようなことも書いてしまいましたが、真空管時代を知らない私には真空管式無線機のシンプルな構造が新鮮に見えておもしろかったです。
お近くにお住まいの方はぜひ一度どうぞ。



2016年1月30日土曜日

ΔLOOP10 中波トラップフィルタ増設

昨日ΔLOOP10完成の記事を書いたばかりですが、中波のオバケ問題を解決するため早速改造しました。

といっても、今回行う改造は設計者の方が発表されたもの、つまり"公式改造"です。 トラップフィルタを付けて中波だけゲインを落としてやろうというものです。
(元記事はコチラ




上からの写真では少しわかりにくいですが、指定のインダクタ、コンデンサ、抵抗を空中配線しました。

結果はなかなか良好で、2倍・3倍の高調波が大分減ったのを実感できました。
それでいて中波が使用不能になるほどゲインが下がっているわけでもなく、ローカル局はもちろん、夜になると広島のRCCも受信できました(受信地は東京都)。

しばらくはこの状態で使うことになりそうです。

2016年1月29日金曜日

ΔLOOP10 とりあえず完成

昨年末からしばらく放置していたΔLOOP10の製作ですが、ようやく完成しました。


左が室内BOX、右が屋外のアンテナ直下に置くアンプ部です。特に自分で工夫した点はなく、製作本の通りに作りました。 設計者の方がダイナミックレンジ向上のための改造法を発表されているようですが、感度が下がってしまうとの報告がネット上に多くあったのでやめておきました。


さて、早速ベランダに逆三角形のエレメントを張って聞いてみました。受信機はSDRplay+HDSDRです。短波はとりあえず問題ないようです。しかし…

上の画像でおわかりでしょうか。在京AM局が混変調を起こしているようで、元の2倍・3倍の周波数やその他訳の分からない周波数でAM放送のオバケが聞こえてしまっています。よく聞くと短波放送のバンドにもしばしばオバケが登場しています(問題ないと書いたのは撤回!)。


これはフィルターでも入れて対策しないといけませんね。改良したらまた記事にします。

追記: 中波カット用HPFを作って記事にしました。

中波カット用HPFの製作



2016年1月26日火曜日

5エレメント双ループアンテナ

最近のテレビ番組はあまりおもしろいと思いませんが、アンテナをいろいろ工夫してテレビを受信するのはおもしろいですね。

八木というのも普通すぎるので、今回は双ループアンテナを作ってみました。


5エレメントですが、一番左の反射器は双ループではなく金網です。これは4エレと言うべきなんでしょうか…?
放射器は直径3mmの銅の棒、3本の導波器はハンガー(10本108円)をばらして入手した鉄の棒です。上の画像の一番右にひっかかっているテープは重量バランスを取るためのものです(汗

下の画像の通り、導波器は曲げたエレメントをボルト・ナットで挟んでいるだけなので簡単に組み立て・撤収ができます。


放射器・反射器も着脱可能です。


本当はMMANAなどで計算してから作れば良いのですが、受信用なのでそこまでしなくても良いだろうということで、波長の計算だけやってあとは勘で作ってしまいました。バランも省略しました。
ただし、作った後にエレメントの配置を数通り試してみて、最もパフォーマンスが良かった配置を採用しています。

では実際に使ってみます。今回も、うちで最も受信しにくいTOKYO MXで試してみることにしました。

1.アンテナをスカイツリーに向けた場合

受信レベルは59~65の間で変動し、常に良好な受信状態で番組を見られます。
ちなみにMXと放送大学以外のスカイツリー送信の局では受信レベルが振り切れています。


2.上の状態から約90度回した場合

アンテナの横から電波がきている状態では、受信レベルは28~35の間で変動し、まともに放送を見ることはできません。

3.さらに90度回した場合

アンテナの反射器がスカイツリーを向くようにすると、受信レベルは常にひと桁で、全く入感していないも同然の状態です。


このように、サイドはまあまあ、そしてバックはかなり強烈に切れていることが分かりました。重い金網反射器を付けた甲斐があったということでしょうか。
数百円で適当に作ったにしては上出来と思われます。

しかしこれ、室内に置いておくには少し大きすぎるので、一通り性能確認試験が終わったらすぐ邪魔者扱いされるのでした…



2016年1月20日水曜日

100円ヘンテナで地デジ受信(2)

「100円ヘンテナで地デジ受信(1)」の続き。

さて、今回は前回100円で作った2λ/3ヘンテナを実際に使ってみます。

ここで間違いがちなのが偏波です。ヘンテナは縦長になるよう置くと水平偏波、横長だと垂直偏波になります。今回は東京(水平偏波)で使うので、縦長になるようベランダに吊るしました。

では実際に地デジ(フルセグ)の電波を受信してみます。

今回は、比較用としてh型アンテナを準備しました。これはダイポール程度の利得しかありませんがはんだ付け無しで作れる簡単なアンテナです。ヘンテナと同じく500MHz用のものを作り、ヘンテナと同じくベランダに吊るしました。

まず、h型アンテナでTOKYO MXを受信してみます。この局を選んだのは、スカイツリーからの電波の中でもっとも信号レベルが低かったためです。


信号レベル11、まったく復調できません。


次に、今回作ったヘンテナを試してみます。
信号レベル50、ほぼ安定して視聴できるようになりました。

スカイツリーから送信されている他の局の信号レベルは80(最高値)にはりついています。

というわけで、108円でそこそこ使えるアンテナを作ることができました。
今度は多エレメント化にも挑戦してみたいと思っています。

100円ヘンテナで地デジ受信(1)

テレビのアンテナというと屋根に取り付けた八木アンテナをお使いの方が多いと思います。

しかし、それでは何も面白くないので地デジ受信用のヘンテナを作ってみることにしました。
今回作るのはスタンダードなヘンテナではなく2λ/3ヘンテナ。普通のヘンテナより帯域幅が広くゲインも少し大きいそうです。寸法は下の図のようになります。(λ=波長)

この時点ではヘンテナというより双ループアンテナですが、後に事情により「双ループ」を名乗りづらくなります。



さて、ヘンテナを作るには金属の棒を買ってきて曲げたりはんだ付けしたりするのが一般的ですが、楽に安く強度が高いアンテナにするため、こんなものを使うことにします。


100円ショップで買ってきたワイヤーネット(40cm四方)です。このタイプのワイヤーネットは鉄でできていて、全てのワイヤーの間に導通があります。耐荷重も3kgあってそこそこしっかりしているので。ここからヘンテナの形を切り出せば良いと考えました。

しかし、ワイヤーの網目をそのまま使うのですから当然細かい寸法の調整ができません。今回は受信用なのでそこまで気を遣うこともないだろうということでエイッと作ってしまいます。

一応、周波数500MHz(波長0.6m)として計算し、寸法が理想値にできるだけ近くなるようにしました。
本当はもう少し周波数を高めにした方が良い気もしますが、500MHzにしたのは波長をきれいな値にするためです。

プラモデルの部品を切り取るような感覚で切っていきます。実は網目の間隔の関係で形を左右対称にできませんでした(というわけで今回は双ループではなくヘンテナを名乗っています)。長辺は約40cm、短辺は約10cmになりました。



上の画像のように切ったら、真ん中にある棒の中央を少し切り取って塗装を剥ぎます。


ここに同軸ケーブルをつないで完成です。屋外に出す場合はさらに自己融着テープを巻いておきます。


上の画像が完成したアンテナです。
同軸ケーブルや自己融着テープ、ハンダなどを除くアンテナ本体が108円でできてしまいました。

しかも、もともとは40cm×40cmのワイヤーネットですから、1枚のネットからこのアンテナを3つ切り出すことができます。その場合は「36円ヘンテナ」になりますね。

さて、今回はここまでにして、次回は実際にこのアンテナを使ってみます。他のアンテナとの比較もやります。

次回「100円ヘンテナで地デジ受信(2)」はコチラ。

2016年1月17日日曜日

aitendo モバイルバッテリーキット

物々交換でジャンクノートPCを手に入れました。
ジャンクPCといってもけっこう新しいものだった(2013年製)ので、リチウムイオン電池を取り出して活用しようと思い買ってきたのがこちら。


aitendoのモバイルバッテリーキットです。webでは400円になっていますが店頭では500円+税でした。

キットと言っても部品は基板に全て実装されていて、電池(リチウムイオン電池 18650)だけ自分で調達するようになっています。
ただし、普通の乾電池ボックスのようにバネで簡単に電池をセットできるようにはなっていません。
ただ「電池を入れるスペース」があるだけです。

そこで、今回は無理やり18650を4本ハンダ付けしてしまいました(リチウムイオン電池のハンダ付けは危険です。このブログを見て同じことをなさって問題が起きた場合、責任は取れません)。


さて、電池のハンダ付けをおっかなびっくり済ませたら、あとは金属ケースにはめ込むだけです。


上の写真は充電中の様子です。LEDが4つ付いており、充電の進捗が分かるようになっています。充電中に爆発しないか不安でしばらく監視していましたが、まあ大丈夫そうです。
このモバイルバッテリーがどの程度実用になるかまだわかりません。
しばらく使ってみます。

2016年1月11日月曜日

IP無線機を使ってみた

昨日横浜に行ったとき、偶然通りかかった消防の出初式で業務用無線機の販売会社のブース(閑散としていた)を見つけたので立ち寄ってみました。

展示されていたのは特定小電力無線機、デジタル簡易無線機、そしてIP無線機。
少し話をうかがってからIP無線機の交信体験をさせていただきました。


機種はICOMのIP500H。 auのLTE回線を使うそうです。
携帯電話の変種のようなものですが、しっかり無線機らしい形をしています。

PTT(FT-60のものよりだいぶ軽いタッチ)を押してしゃべると、1秒くらい遅れて相手の無線機から自分の声が聞こえてきました。この遅れは少し気になりましたが、係の方は慣れれば問題ないと言われていました。
また、音質はあまりよくないようでした。


カタログとパンフレットを頂いて帰りました。
業務用無線機を触ることは滅多にないのでなかなか面白かったです。
知らない点が多いのでいろいろ質問してくればよかった…

2016年1月10日日曜日

海上保安資料館 横浜館 (無線家視点)

海上保安資料館 横浜館に行ってきました。

ここには、平成13年12月22日に海保の巡視船と交戦し自爆した北朝鮮の工作船が展示してあります。
銃器や弾痕だらけの船体を熱心に見ている人が多くいましたが、私が最も気になったのは工作船が装備していた無線機・受信機です。今回はこれにしぼって書いていきます。



上の写真はICOMのIC-475H、海外仕様で75W出力の430MHzオールモードトランシーバーです。
(参考: http://www.universal-radio.com/catalog/hammulti/475a.html)

 

こちらは同じくICOMのIC-R71E。0.1~30MHzをカバーする受信機です。これも海外仕様。
工作員はICOM派だったんでしょうか。
(参考:http://www.rigpix.com/icom/icr71e.htm)




これは松下(Panasonic)のCB無線機、RJ-20Dです。2CH機で、1970年代初頭の製品のようです。




これは中波と短波の2バンドラジオ。おそらく松下(Panasonic)のR-209だと思われます。1960年代の製品です。上のCB機と共になかなかの年代物ですね。上のCB機とこのラジオは型番が見えないので、調べるのに苦労しました。
(参考:http://www.radiomuseum.org/r/panasonic_tuned_rf_r_209j.html)


一応通信機の仲間ということでこちらも… 東芝の携帯電話 J-T03です(右)。懐かしのJ-PHONEのロゴが入っています。
左はSHARPのポケットコンピュータ PC-E500です。何に使っていたのでしょうか。暗号作成や復号にも使えそうですが…


他にも国際VHFのハンディ機 ICOM  IC-M1EURO V や小さな電鍵もあったのですが、写真を撮り忘れました。しかし、よくここまで日本製品ばかり揃えましたね。

さて、このように各種の無線機や受信機を積んでいた工作船ですが、遠距離通信ができる無線機が無いのが不思議です(展示されていないだけか?)。本国から遠く離れた所を航行するのですから、短波を送信できる無線機を積んでいたはずだと思うんですが。

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海上保安資料館 横浜館は入場無料、午前10時から午後5時まで開いています。
URL: http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/kouhou/jcgm_yokohama/

2016年1月9日土曜日

Windows10 勝手にスリープする問題の解決

常用しているWindows10のノートパソコンが、下の画像のように設定をいくら変更しても数分間目を離した隙に勝手にスリープ状態になってしまうので最近困っていました。


インターネットで検索していて解決策を見つけたので備忘も兼ねて書いておきます。

1.以下のサイトからAdd_System_unattended_sleep_timeout.reg をダウンロードしてとりあえずデスクトップに保存します。

http://www.sevenforums.com/tutorials/246364-power-options-add-system-unattended-sleep-timeout.html

2.下の画像のようなアイコンができたらダブルクリックし、「実行」をクリック(レジストリが追加されます)。

3.コントロールパネルを開き、システムとセキュリティ>電源オプション>プラン設定の編集>詳細な電源設定の変更 と進みます。

4.すると下の画像のように「システム無人スリープタイムアウト」という項目が出てくるので、ここの時間を適当にのばしてやればOK。
私の場合は初期設定が2分になっていました…
最初にレジストリの追加をしないと「システム無人スリープタイムアウト」の項目が表示されないので注意が必要です。

私はこの方法で問題が解決しましたが、この記事の通りに実行して何らかの問題が起こった場合の責任は取れませんのでご了承ください。

参考URL:


2016年1月3日日曜日

2016年 QSOパーティ(社団局)

今日は、私の出身中高の無線同好会(JA4YMQ)の山岳移動運用にお邪魔しました。

場所は広島市西区の鈴が峰(312m)。そんなにロケーションが良い山ではありませんが、広島市内中心部からバス1本でふもとまで行ける手軽さが魅力です。登山道もじゅうぶん整備されており山頂が広いのも良いですね。

設備は144/430デュアルバンドのハンディ機と2mの8エレ八木でした。QRPでも4,5,6エリアと交信できていました。

午前10時ごろに始めて昼過ぎには20局と交信できました。…といっても交信していたのは専ら中2の後輩で、OBである私はミカンを食べながらのんびりしていただけですが。

この社団局、人数は少ないですが上級生が下級生にいろいろ教えているのを見てなかなか頼もしいと感じました。
最年少の中2の後輩も最後には結構運用が上達していました。まだ交信しながらログを取ることができずサブOPを付けていましたが、それさえ練習すればひとりでも運用できそうでした。


この社団局で活動していたころを思い出して、中学生に戻りたくなった日でした…

2016年 QSOパーティ(個人局)

あけましておめでとうございます。

去年は受験勉強のため出られなかったQSOパーティ、今年は広島の実家(常置場所)から144/430MHz のハンディ機1台で参加しました。

開始時間の2日朝9時から2m FMでCQを出して30分で12局、その後呼びにまわり昼までにのんびり8局交信して20局に到達しました。
V/UHFがこんなに賑わうことは滅多にないので、20局到達後もメインワッチを続けてぼちぼち交信しました。
広島に住んでいたころお世話になった方々や中高の無線同好会の後輩とも交信できて良かったです。

忙しいコンテストも良いですが、少しゆっくり挨拶できるこのQSOパーティのようなイベントも好きです。