最初はオペアンプ1個+ダイヤモンドバッファという超定番の回路を考えていたのですが少しメンドくさくなってしまい、ディスクリートのダイヤモンドバッファの代わりにバッファICであるLME49600を使ってみました。「代わりに」と言ってもこのICの中身もダイヤモンドバッファなので、実質同じようなものですが…
ほぼデータシート通りの使い方をするので、アッという間に回路図が書けます。
最初は上の回路図で3kΩのところが4.7kΩだったのですが、ウォークマンから信号を入力したときに力不足を感じたので抵抗値を変更して少しゲインを上げました。何しろ主に使うヘッドホンが高インピーダンス低感度のAKGのK712Pro(インピーダンス62Ω、感度93dB)なので…
もともとは以前実験して効果に驚嘆したDCサーボをつける予定だったのですが、これも面倒になってカップリングコンデンサで済ませました。といってもMUSE KZ 1000μFとECHU 0.18μF(回路図には入っていませんが)をパラにして使っており、音質の劣化は最小限に抑えられているものと思います。
実はコンデンサなしでも出力オフセットは5mV未満に収まっているので、DC直結にしても多分大丈夫です。
アンプ部はユニバーサル基板でつくり、メンテナンス性を考慮して入出力は全てピンヘッダ・ピンソケットを使って簡単に基板を外せるようにしています。電源部は信頼性を重視して秋月の電源キットを使いました。プラスマイナス15Vです。
高さを抑えるため、正電源と負電源でトランスを1つずつ使っています。
ボリュームはコストパフォーマンスが高いと言われるマルツのRD925Gです。
抵抗は千石で買ったタクマンのREYとニッコームのRP-24C、一応評判の良いものですが、果たして自分の耳とこの安アンプで抵抗の違いが分かるかと言われるとはなはだ怪しいです。まあ気分の問題です。
作ってしばらく聞いてみてから、LME49600の発熱が少し気になったので銅板を適当に曲げてヒートシンクを作り、LME49600のフィンに直接はんだ付けしました。ということはこのヒートシンクには負電源の電圧がそのまま出ているわけで、注意が必要です。
オペアンプもFET入力のものを数種類とりかえて聞いてみましたが、無難にMUSES8920に落ち着きました。
外観はこんな感じ。電源LEDすらなくシンプルです。
音は、簡単な回路の割には思ったより良かったです。
Olasonic NANO-D1と比べると高音がぼやけていますが、低音の量だけは多いです。
解像度と音の広がりについては…まあ、さすがに結構な値段のNANO-D1と比べるのはかわいそうなのでこの辺にしておきます。でもこの自作アンプも決して悪くはないですよ。
しかし、オペアンプを使うと簡単ですし、誰が作っても同じ回路にしかならないので達成感も薄いです。
この辺でオペアンプはいったんやめにして、ディスクリートにチャレンジしてみたいと思っています。