2020年12月16日水曜日

ICF-5800 整備メモ

 ボロボロのSONY ICF-5800を入手したので少し手入れをしました。



FMは受信できましたが中波は不安定、各種スイッチとボリュームは接触不良がひどい状態です。ロッドアンテナのポップアップ機能も不動です。さらに、ひどい液漏れを起こした電池が電池ボックスに固着して取り出せません。


この機種は本格的に分解し始めるとかなり面倒そうなので、とりあえず以下の3点を中心にやっていきます。

  • 清掃
  • スイッチ・ボリュームの接触不良解消
  • 電解コンデンサと悪名高い2SC710の交換

背面の4本のネジを外すと背面パネルが外せます。ここで電池ボックスの全体があらわになり、電池の取り外しに成功。

ご覧の通り、この機種の基板にはソルダレジストがなく、基板上の全てのパターンが剥き出しです。部品交換にはかなり気をつかう必要がありそうです。

さらに基板上のネジ、フロントパネルと側面のツマミ類、チューニングダイヤル裏のネジを外すとフロントパネルも外れてスカイセンサーの三枚おろしが完成します。

この機種では配線の固定などにスポンジ付きのテープが多用されているのですが、このスポンジが完全に劣化しています。触れただけでポロポロと崩れてしまい邪魔なので、全部はがしてしまいました。

まず、電源・BFO・AFCの各スイッチを取り外して清掃します。


スイッチを分解してみると、焼け焦げたのかと思うほどに真っ黒に変色した接点が現れました。


エタノールで拭くだけでこんなにきれいになります。


本当はバンド切り替えスイッチもきれいにしたいところですが、分解が面倒なので今回は見送りました。

この機種には、劣化・故障で有名な2SC710が多く使われています。試しに1個外すと、足が見事に真っ黒になっていました。


まだ動作するなら無理に交換する必要は無いとも言えますが、時限爆弾を抱えたまま使い続けるのは嫌ですし、こんな面倒な機種を何度も分解したくないので、この機にできるだけ取りかえておきます。

2SC710の代替品はいろいろと考えられますが、今回は秋月で安く買える2SC1923を試してみます。1923は710よりPcが小さいですが、もともとギリギリの電力で使うような回路設計はされていないので大丈夫でしょう。
念のため、1個交換する度に動作確認をして慎重に作業します。
結局9個の2SC710を2SC1923Yに交換し、特に不具合はありませんでした。


次に電解コンデンサの状況を確認します。
あまり発熱する回路ではないのでたぶん大丈夫だろうという予想通り、いくつか外して測定してみても酷い劣化は見られませんでした。念のため、交換しやすい部分だけ交換しておきました。
2つのコンデンサが合体した3端子の電解コンデンサがいくつか使われているので、交換する場合は要注意です。一応、通常の2端子のコンデンサ2個で置換できるようにスルーホールが用意されていますが、リードフォーミングの工夫は必要です。


不動のロッドアンテナポップアップ機構は幸い故障していなかったので、シリコングリスを少しかけただけで復活しました。

ついでに、バックライトの麦球をLEDに交換しておきました。いわゆる電球色のLEDを数種類買ってきて試し、最もリアルな麦球の色に近かったOSM2DK5111A-UVを採用しました。下の写真の左側が元々付いていた電球、右が今回取り付けたLEDです。


ケースを閉める前、仕上げにトラッキングなどの調整をおこなっておきました。AMは若干ずれていたようです。


中身がマシになったところで、ケースの清掃を行います。中性洗剤で丸洗いして、ブラシや綿棒を使って細部まで掃除します。

ベルトの金具はアクリサンデー研磨剤で磨きました。


だいぶキレイになりました。


不安定だった中波もちゃんと受信できるようになりました。
ここ数日は、このICF-5800でFMを聞いて過ごしています。HiFiとは言い難いですがなかなか味わいのある音を聞かせてくれます。
製造から半世紀近くが経ったこの名機を大事に使っていきたいと思います。

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