2019年10月6日日曜日

ネットワークオーディオプレーヤーの製作 (3) DACのI/V変換と出力

前回はES9038Q2M DAC基板について書きましたが、今回はその基板から出てきた信号をI/V変換して出力するところまでを書きます。下図の赤枠の部分です。



回路図の該当部分だけ切り取ったものがこちら。


オペアンプでI/V変換を行い簡単なLPFを通して出力するという超シンプルな回路ですね。
I/V変換抵抗と並列にコンデンサを入れる回路をよく見ますが、それをやると電流帰還オペアンプが使えなくなる(※)ため今回は採用しませんでした。
オペアンプは数種類試しましたが、MUSES8920やAD812(電流帰還型)が良さそうです。

電源は「通電してみんべ」さん発案のディスクリート三端子レギュレータを使いました。


このレギュレータでは、(ツェナーダイオードの電圧)+(2SC2240 or 2SC970のVbe)が出力電圧となります。
ツェナーダイオードには公称より電圧が低めの選別品(公称5.1V→4.80~5.07V, 公称4.7V→4.40~4.63V)を用いており、Vbeと合わせて出力電圧約15Vとしています。
高い電圧のツェナーダイオードを1本使うのではなくわざわざ低電圧品を直列にしているのは、ノイズ低減のため(高電圧品はノイズが多い)と、温度特性を良くするため(ツェナーダイオードは5-6V品で最も温度変化に対する電圧変化が小さくなる)です。

さて、実際の基板がこちら。


突貫工事で設計して部品配置をよく検討せず発注してしまったので、なんだか
ス カ ス カ 
の基板になってしまいました。反省して基板設計をやり直したので、今度別の基板を発注するときにでもついでに作り直します…
また、帰還抵抗が付いていないように見えますが、基板の裏側のICソケットの足に1608の薄膜抵抗を直付けしています。

次回はネットワークオーディオプレーヤーの核であるラズパイまわりについて。

※Analog Devices. MT-034: Current Feedback Op Amps. p.4
 https://www.analog.com/media/en/training-seminars/tutorials/MT-034.pdf

0 件のコメント:

コメントを投稿