2018年9月24日月曜日

KX3をJARDで保証認定…トラブルあり

米国メーカーの無線機であるKX3に技適番号は無いので、日本で使うためには保証認定が必要です。
保証認定を行っている会社にはTSSとJARDがありますが、今回はJARDを選んでみました。かつてSST-20(第2送信機)をTSSで保証してもらったので、今度はJARDを試してみようと思ったのです。

KX3が届いた翌日に電子申請による基本保証の申し込みを行うと、6日後にメールで返信がありました。そこには私の単純ミスに対する指摘がいくつかあったほか、衝撃の一文が記されていました。


50MHz帯においては、新スプリアス規格を満足していませんので、BPFを送信機系統図に記載してください。
接続されたBPFフィルターの型番を送信機系統図内に記載してください。
これは寝耳に水でした。まず「BPFフィルター」って重複表現だろ…というのはどうでもいいとして、今までにKX3の保証認定を受けた人からBPFが必要などという話は聞いたことがなかったものですから。
しかもスプリアス規格をどのように逸脱しているのか書かれていないので、どのような特性のBPFを取り付ければよいのかも分かりません。そもそもKX3のスペック表によると50MHz帯における高調波・スプリアス成分は-60dBc未満であり、スプリアス基準を満たしているはずなのに…

せっかくの小型機ですから、どうにかして外付けBPF無しで保証を受けたいものです。そのための方法をいくつか考えて下の表にまとめてみました(クリックで拡大)。


上の表中の方法の中から、まずはお手軽で低リスクな③と④を試してみることにしました。以下のような趣旨の文章をメールで送りました。
これまでに御社やTSSで同機種の保証認定を受けた人から、そのような指摘は無かったと聞いていますが、審査基準に何らかの変更があったのでしょうか。
また、本機種の取扱説明書には、Harmonic / Spurious Outputsは50MHzで-60dBc未満であると記されています。これが正しければ日本の新スプリアス基準は満たされているように思われますがいかがでしょうか。
このメールを送って待つこと3日、ようやくJARDから返信がありました。さて私のガバガバな反論に対して何を言われるのかとドキドキしながら開封すると…
この度は、当協会の行うアマチュア局の保証をご利用いただき誠にありがとうございました。
保証の審査の結果、本日付けで保証を行いましたので、保証書(PDFファイル)をこのメールに添付いたします。
えぇ…(困惑)
あんなに自信ありげに(?)スプリアス規格不適合と断言しておきながら、ちょっと反論されると何も言わずにすぐ保証してしまうとは一体どうしたことでしょうか。この件についてはエレクラフト社に協力をお願いするメールまで用意していたので、拍子抜けしてしまいました。
保証を受けたのでこれ以上の質問などはしませんでしたが、ちょっと不思議な話でした。

最後に、時系列で出来事をまとめておきます。申請から保証までにかかった日数は9日でした。

9月12日保証願書を提出(電子申請)
9月18日JARDからスプリアス等について問い合わせ
こちらから反論
9月21日保証書の到着


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