2020年4月8日水曜日

ディスクリート電流帰還ヘッドホンアンプ&ミニパワーアンプの製作

昨年末に作った電流帰還パワーアンプの基板が余っていたので、ヘッドホンアンプ兼ミニパワーアンプを自作してみました。

アンプ基板

回路図


・アンプ回路
アンプ部の回路は基本的に以前のパワーアンプとほぼ同じ(同じ基板を使っているので当然)ですが、今回はヘッドホンやスピーカーを小出力で鳴らすという用途に合わせていくつかマイナーチェンジを行いました。
まず、ゲインを0dBにしました。また、終段のトランジスタを2SC2837/2SA1186から2SC4883A/2SA1859Aに変更し小型化したほか、コスト削減のため2SC3324/2SA1312を2SC2712/2SA1162に変更しました。
さらに、終段のエミッタ抵抗を0.22Ωから1Ωに変更してバイアス電流の安定化を図りました。バイアス電流は100mAに設定しました。

・保護回路
前作と同様、フォトカプラを使ったDC漏れ検出回路とMOS FETリレーでスピーカー/ヘッドホン保護回路を作りました。前作はマイコンでフォトカプラの出力を見ていましたが、今回はよりシンプルにFET1個で済ませました。
また、電源には突入電流対策回路も入っています。電源を入れてから約1~2秒間は抵抗を通じて平滑コンデンサを充電し、その後はリレーで抵抗をバイパスします。

・入出力
入力はRCAが2系統、ステレオミニジャックが1系統です。RCA入力のうち1系統はボリュームをバイパスして直接パワーアンプに繋がるようになっています。
出力はスピーカーが1系統、ヘッドホンが2系統(4ピンXLR・ステレオ標準ジャック)です。上記のMOS FETリレーで出力先を切り替えられるようにしています。ステレオ標準ジャックはプラグの抜きさし時に端子間がショートする可能性があるので、アンプの保護抵抗として4.7Ωを入れてあります。

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この回路をいつものタカチのYM-250に入れました。



内部は配線がグチャグチャで恥ずかしい状態です。ケース自体をヒートシンクとして使う構造になっています。



自作AK4495 DACと接続してHD800Sで聴いてみました。


非常にパワフルな音ですが、HD800Sの広大な音場が若干狭まったようにも感じます。電源の平滑やリップルフィルタに使った電解コンデンサの影響が悪い意味で感じられ、すこしモゴモゴ感があります。素性は良さそうなので、もっと部品にも気をつかって作ればよかったかもしれませんね。

最後に、2台の先輩と並べて記念撮影。



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