2020年9月29日火曜日

Si4734 ポケットラジオの設計と製作 (2) 回路

Si4734ポケットラジオの回路を見ていきます。

まず全回路図です(クリックで拡大)。


部分ごとに解説していきます。


電源


電源は860 mAhのリチウムポリマー (LiPo) 電池です。USB microB端子から充電します。充電制御用のIC (U11) には秋月で扱いのあるMCP73831を使用し、充電電流は控えめに約200 mAとしました。電池の過充電・過放電・過電流保護のためDW01というICを使い、さらにリセッタブルヒューズでも過電流保護をしています。電池本体にも保護回路は入っているので本来外部の保護回路は無くても良いのですが、不安なので一応付けておきました。


電池とUSB電源の切り替え回路は前作ではスライドスイッチでしたが、今回はFET (Q6) とダイオード (D6) を使った自動切り替えになっています。USBからの給電が始まるとQ6がOFFになって電池からの給電が自動的に停止し、USBから電池の充電とラジオへの給電が同時に行われます。


電源のON/OFF制御回路は前作とほぼ同じです。待機電力で電池を消耗することはありません。詳しくは前作の記事をご覧ください


マイコン関連


Si4734とLCDの制御をするマイコンはATmega328P-AUです。クロックは内蔵CR発振器の8 MHzを分周して作った1 MHzです。8 MHz動作と比べると3 mAほど消費電流を削減できます。ICSP端子を基板の端に引き出してあるので、プログラムの書きかえも簡単です。


Si4734とその周辺



・高周波
ON/OFF可能な高周波アンプを組み込みました。消費電力を増やしたくないこと・電源電圧が低いことによりあまり複雑な回路は使えないので、シンプルな1石のエミッタ接地アンプを採用しました。ミラー効果や配線の浮遊容量による周波数特性悪化が少し心配でしたが、特に問題なくFMバンドまで増幅してくれています。特に短いアンテナを使うときにはかなりの効果を発揮します。
高周波アンプのON/OFF切り替えは、RFスイッチを2個使う豪華仕様です。RFスイッチは消費電力がほぼゼロなので良いですね。

普通のラジオのようなロッドアンテナは付いていませんが、外部アンテナ端子 (ミニジャック) を備え、RFスイッチで内蔵バーアンテナとの切り替えができるようになっています。FM受信時は外部アンテナしか使えない設定です。

音声出力端子のGNDとラジオのGNDの間にはチップフェライトビーズ (L2) を入れ、イヤホンをアンテナとして使えるようにしました。試作機ではSi4734の音声出力に乗ったノイズがイヤホンアンテナを通じて受信に悪影響を与える現象が見られたので、チップフェライトビーズ (L7, L8) やアンプ前後のCRローパスフィルタで対策しました。


・オーディオ

外部出力用と内蔵スピーカー用に各1個のアンプICを使っています。本当は共用できれば良いのですが、スピーカーのBTL駆動とステレオ外部出力を両立しようとしたらこうなってしまいました。

内蔵スピーカー用のアンプはHT82V739です。左右チャンネルの信号をミックスしたものを入力し、BTLで出力します。スピーカーはマルツで購入した薄型 36 mmのものを使っています。

外部出力用(主にイヤホンを想定)のアンプは、LM4880を使った反転増幅です。


音声出力端子には4極ジャックを使い、ミニプラグの挿抜を検知して音声出力先の切り替えを行います(Q4周辺)。これは信号ラインを直接切り替えているわけではなく使わないほうのアンプの電源をシャットダウンしているので、多少の節電になります。



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