2019年3月15日金曜日

UcD180HGモジュールの改造

前回の記事で気になった点を中心に、UcD180HGモジュールの改造を行います。
需要が極めて小さそうな記事ですが、自分用の備忘録ということで。



プリアンプのゲイン変更

前回の記事にも載せましたが、プリアンプ部の回路図は下の通りです。
※回路図と基板の部品番号は対応していません。
上の回路図のR11を外し、ゲインを14.6dBから一気に0dBに下げました。
外した抵抗は下の画像の赤丸の部分です。


これでモジュール全体のゲインは約11dBとなり、私が住んでいるような狭小住宅でも使いやすくなりました。

プリアンプの電源

UcD180HGのプリアンプの定電圧電源は簡単な無帰還式で、しかもその上流がスイッチング電源です。回路図を再掲します。
製造元のhypex社はこの電源回路の特性の悪さなど百も承知で、オプションとして "HxR" と称する高性能なレギュレータを販売しています。見たところ、HxRはLEDを定電圧源として用いるタイプの帰還式レギュレータのようですが、詳細は不明です。というのも、今回私は60ユーロ(15ユーロ×4個)を惜しんでHxRレギュレータの購入を見送ったからです。デフォルトの電源回路が悪くなさそうならそのまま無改造で使うつもりでしたが結局気になってしまったので、簡単なトランス電源を作ってみました。



以前プリアンプで採用したような高速ディスクリート電源を採用しデカップリングの電解コンデンサを省略…するつもりでしたが、面倒になったので三端子レギュレータを二段重ねにしてごまかしました。まさに妥協の産物。
例によって負電源は省略していますが正電源と同じ構成です。

以下、プリアンプ用外部電源をUcD180HGモジュールに接続する方法です。
まず、オンボードのレギュレータからの電力供給を断つため基板上のR68とR69(0Ω抵抗)を取り外します。次に、HxRレギュレータを追加するために用意されているスルーホールに外部電源を接続します。
正電源と負電源それぞれについて基板の画像を載せておきます。正電源と負電源ではピン配置が違うので要注意です。



コンデンサ

入力カップリングをポリエステルフィルム (0.68μF 100V) からPMLCAP (2.2μF 25V) に、オペアンプのデカップリングをSu'scon MF 22μF 63Vから東信 UTWRZ 100μF 25V + PMLCAP 0.1μF 50Vに変更しました。
デカップリングのほうはPMLCAP(3216サイズ)が大きすぎるため少々トリッキーな実装になってしまいました。電解コンデンサを基板の裏側に取り付け、表側のベタGNDのレジストを削ってPMLCAPをハンダ付けしてあります。


取り外したコンデンサ達

余談ですが、UcD180HGとSMPS400A180(UcD専用電源)に使われている電解コンデンサはほぼ全てSu'scon製です。公式サイトによるとSu'sconブランドは1978年に創業された台湾のメーカー KUAN KUN ELECTRONICのものだそうです。まあまあまともそうなメーカーに見えますがどうなのでしょうか。

改造後の基板の画像を下に示します。

次回はこのモジュールをケースに組み込みます。

0 件のコメント:

コメントを投稿