2018年1月9日火曜日

ツェナーダイオードとLEDのノイズ測定(半分失敗)

今計画中の自作ヘッドホンアンプの回路内で定電圧を作る必要があり、4.7Vのツェナーダイオードを使うつもりでいます。
ところが…ツェナーダイオードはノイズが多いから使いたくない!という話をよく聞きます。ツェナーのノイズを嫌って、LEDを定電圧素子として使う場合もあるようです。自作オーディオ界隈だとLED電源というのが有名ですね。

しかし実際はどうなんでしょう。ツェナーダイオードでは降伏電圧が小さいほどノイズも小さくなりますから、(数十Vのものならともかく)4.7V程度ならオーディオ用に使っても問題無さそうな気がします。実際、メーカー製のオーディオアンプの回路図を見ても、数V程度のツェナーダイオードはバリバリ使われています。ノイズもバリバリ?そんなことはないでしょう。

「でしょう」とか「気がします」とか言っていても仕方がないので、簡易的な測定をやってみました。

まずツェナーダイオードの品種によるノイズの差を測ってみます。 測定対象は秋葉原で買ってきた以下の2種類。

メーカー型番電圧購入店価格
PANJITGDZJ4.7C4.7V秋月10円
RENESASHZ5B-1-E4.6~4.8V千石20円

測定用に、下の図のような小道具を用意しました。


失敗基板の端を適当に切りとって作りました。外部からのノイズ侵入をできるだけ防ぐため、基板に3.5mmジャックを直付けしました。

これを手持ちのICレコーダー TASCAM DR-07mk2に接続します。



レコーダーの設定は以下の通り。
44.1kHz 16bit モノラル WAV 録音レベル50 
これで0.1Vrmsの入力が大体-5dBとなるようです。
この設定で10秒間録音し、データをWavespectraに入れてピークのスペクトラムを見てみます。

まずは上の回路図のツェナーの部分をショートして測定限界を確認しました。
ギザギザノイズが気に入りませんが仕方ないですね。
グラフが小さくて見えにくいかと思いますが、クリックで拡大できます。

測定限界が分かったところで、千石電商で買ったRENESAS  HZ5B-1-Eを測定しました。
青が測定限界、赤がツェナーです。
このダイオードのノイズは測定限界以下のようです。これならオーディオ用にも問題なく使えそうです。
測定時のツェナーダイオードの電圧は4.72Vで、電流は4.82mAでした。

では次に、秋月電子で買ったPANJIT  GDZJ4.7Cです。
上と同じく青が測定限界、赤がツェナーです。
マジですの?
これはけっこうノイジーですね。電圧が同じなのに、品種によってこんなに差が出るとは思いませんでした。どちらかのダイオードで測定ミスがあったのではないかと思って両方やり直しましたが、結果は変わりませんでした。
ノイズを気にするときはこのダイオードを使わない方がいいかもしれません。安かろう悪かろう、か…
測定時のツェナーダイオードの電圧は4.80Vで、電流は4.68mAでした。


さて、気を取り直してツェナーダイオードの定番ノイズ対策を試してみました。
秋月ツェナーに25V 100μFの電解コンデンサ(東信 UTWRZ)を並列接続したときのグラフです。青が測定下限、赤がツェナー。
だいぶノイズが減りましたね。
ついでに、電解コンデンサの有無の比較を下のグラフに示します。青がコンデンサあり、赤がコンデンサなしです。

ツェナーのインピーダンスが低いので低域のノイズは取り切れていませんが、大体2kHz以上のノイズは測定限界以下まで落ちていることが分かります。

ツェナーダイオードについては以上です。

次に、LEDのノイズを測定してみます。
測定対象は以下の3種類です。

メーカー型番購入店価格
OptoSupplyOSG8HA3Z74A黄緑秋月10円
OptoSupplyOSY5JA3Z74A秋月20円
OptoSupplyOSR5JA3Z74A秋月10円

同じメーカーの高輝度ではないLEDを3種類選びました。色によるノイズの違いがあるかどうか知りたいというわけです。もちろんツェナーとの比較もしたいので、電圧ができるだけ4.7Vツェナーに近くなるよう2個直列にしました。

測定装置はツェナーの時と同じです。
結果から言うと、これら3種類のLEDのノイズは全て測定限界以下でした。
測定時のLEDの電圧は3.7~3.9Vで電流は5.6~5.8mAでした。
グラフは省略です。

【まとめ】
同じ電圧のツェナーダイオードでも品種によってノイズの量が全然違うということが分かったのは意外な収穫でした。今計画中の自作アンプにはRENESAS  HZ5B-1-Eを使おうと思います。
また、今回の実験ではPANJIT  GDZJ4.7C以外のノイズが全て測定限界以下となり、評価できませんでした。もともとLEDとツェナーのノイズを比較したかったわけですから、そういう意味では実験は半分失敗ということです。測定装置や測定方法をもっと工夫して、他の素子のノイズも評価できるようにしてみたいものです。

2018/01/20 追記
トランジスタ技術 2014年8月号やトランジスタ技術SPECIAL 139号に掲載されている記事「抵抗の熱雑音が見える!1nV/√Hz低雑音プリアンプ」に、4種類の定電圧素子(赤LED, 青LED, TL431, 3.3Vツェナーダイオード)のノイズ測定結果が載っています。この記事では測定結果をもとに青LEDを低ノイズな素子として推薦していますが、1種類の青色LEDの測定結果から青色LED全般を勧めるのは適切なのでしょうか。
私が測定した2種類のツェナーダイオードと同様に、青色LEDのノイズの大きさも品種によって違うかもしれません。せめて、測定したLEDの型番を明記していただきたかった…と思っています。

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