2019年4月24日水曜日

ES9038Q2M DAC内蔵ヘッドホンアンプの製作 (1) DAC基板の改造

先日購入したES9038Q2M DAC基板をヘッドホンアンプに仕立てました。


例のごとく、いきなり完成品から見せていくスタイルです。
改造前の回路図を再掲します。


もともとこの基板はES9038Q2Mを電圧出力で使っており、オペアンプ1個で差動合成とLPFを兼ねさせてシングルエンド出力とするものでした。この構成ではせっかくのES9038を生かし切れていないように思ったので、9038を電流出力で用いてI/V変換を外部で行うことにしました。
今回はDAC基板の改造について書いていきます。

ここから先は画像の順番が必ずしも時系列にはなっていないので、外したはずの部品が戻ってきたり何の説明もなく新たな部品が付いていたりすることがありますがスルーしてください。

・基板切断

いきなり物騒な見出しですみません。
まず、オペアンプまわりや端子などの不要な部品を全て外しました。すると、基板の右半分がスッカラカンになってしまいました。そこで…


上の画像の赤線部にカッターナイフで切れ目を入れ、基板の右半分を折り取ってしまいました。


最初から基板を切ることを決めていれば大量の部品を外す必要は無かったのですが…行き当たりばったりで工作をしているので、こんなことはよくあります。

・電源

元々はAMS1117というLDOレギュレータ1個でDACの電源全てをまかなっていましたが、せめて出力まわりのアナログ電源(1ピン、10ピン)だけでも分離したいと思い、秋月電子で購入したNJM2863F33を無理やり取り付けてみました。
まずパスコンとチップインダクタを取り外して、1ピンと10ピンに繋がる配線を3.3Vレギュレータの出力から切り離し入力側と接続します。


さて、パスコンとチップインダクタの跡地に、変換基板に載せたNJM2863を取り付けます。NJM2863の出力側のパスコンは10μFのPMLCAPです。かなり無理のある実装ですが何とかなりました。


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2019/10/1追記
音質向上のため、10μF PMLCAPと並列に220μFのAVX製チップタンタルコンデンサを追加しました(基板裏面に実装)。安全のため耐圧には余裕のあるものを使いましょう。
追記終わり
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電源の改造はこれだけにとどめておくつもりでしたが、さらに2か所ほど手を加えました;
上と同様の手法で水晶発振器の電源をNJM2863に交換、そしてAMS1117という少々怪しいレギュレータをAnalog DevicesのADP3338に交換しました。

実はデジタル電源のパスコンも取りかえようと一旦外したのですが、結局迷走して同じようなコンデンサ(タンタルとX5Rのセラコン)を付け直すという愚をおかしてしまいました。

・音量調整

DAC ICの内蔵デジタルボリュームを使います。ES9038Q2Mは32bit DACなので、ビット落ちの心配はほぼ不要です。

・入力切替

マイコン制御で、基板上のジャンパにより設定できます。今回はジャンパから線を引き出してロータリースイッチを用いて切替を行います。光と同軸の2系統です。ES9038Q2MはS/PDIFを直接入力できるのでDAIを別途用意する必要が無く便利ですね。

・デジタルフィルタ

ジャンパで7種類のフィルタを選択できます。種類によって音はわずかに変化しますが、日常的に変更することは無いでしょう。私はlinear phase fast roll-off filterに設定しています。

・パルストランス

同軸S/PDIF入力端子の跡地にパルストランスを追加しておきました。秋月で200円のPE-65612NLです。


基板改造後の回路図はこんな感じです。



次の記事はI/V変換とヘッドホンアンプについて。
ES9038Q2M DAC内蔵ヘッドホンアンプの製作 (2) I/V変換とヘッドホンアンプ


※2019年5月2日 記事内容にまとまりがなかったので大幅に修正しました。

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