2019年4月9日火曜日

デジタル置き時計の輝度自動調整改造(SEIKO DL305K)

SEIKO DL305Kという電波置き時計を使っています。
画面表示が大きくて見やすいのが長所ですが、不満がひとつありました。画面の輝度を3段階に調整する機能が付いているのですが、これが手動調整のみなので、昼間に明るくしておくと寝るとき邪魔になり、夜に暗くすると昼間には表示が見えないという困った状態だったのです。周囲の明るさに応じて自動的に輝度が変わる機能が欲しいと思い改造しました。


周囲が明るい時は表示も明るく、


周囲が暗くなると表示も暗くなります。


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手順を書いていきます。
まずは分解。この時計、ネジが1本たりとも露出していないのですんなりとは分解できません。ネジをどこかに隠してある可能性が高いと考えいじくりまわすこと数分…


前面パネルが両面テープで取り付けられていることが判明、それをはずすとネジが出てきました。この8本のネジを外すとケースが2つに分かれて基板にアクセスできます。


上の画像で、基板の右上にレジストのない部分があります。ここが輝度調整スイッチのついていたところです。明・中・暗のランドにはそれぞれ約2.8Vがかかっており、いずれかをGNDに落とすことで明るさを選択します。オープンコレクタ(or オープンドレイン)で制御できそうだと分かりました。

次に、制御用の電源の問題があります。マイコンとフォトトランジスタを使うつもりなので、3~5V程度の電源が必要です。
実はこの時計にはスマホ等の充電用のUSB端子が付いており、そこからマイコンの電源を取るつもりでした。しかし、調べると標準電波の受信中はUSBの電源供給が切られてしまうことが判明(おそらくノイズ対策)、諦めました。
そして基板上をあちこち探っていると、運よく空きランドに3.3Vが出ているのを見つけました。


マイコンが使う程度の電流なら問題なく流せることも実験で確認できたので、ここを電源として使わせてもらうことにしました。


追加する配線がボタンを邪魔しないように気を付けましょう。


画面に当たっている光の強さを測定できる位置に、基板を両面テープで貼りつけました。

フォトトランジスタ NJL7302L-F5をコレクタ接地で用い、出力電圧をマイコン(ATtiny85-20PU)のADCで読みます。マイコンのプログラムはごく簡単なもので、ADCで得られた電圧値によってLを出力するピンを切り替えるだけです。といっても時計が必要としているのはオープンドレインなのに対し、マイコンの出力はトーテムポール。H(3.3V)を出力してしまうのは良くありません。そこで、LになっていないピンはH出力ではなく入力に指定することによって高インピーダンス状態とし、疑似的なオープンドレイン出力ができるようにしました。

動作時の動画をツイッターから引用します。
 一番心配だったのはマイコンのノイズにより標準電波が受信できなくなるのではないかということでしたが、特に問題ないようです。
これでまたひとつ生活が便利になりました。

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