2018年3月3日土曜日

オーディオ用プリアンプの製作 (1) アッテネータ

自室のプリメインアンプのボリュームをバイパスできるように改造したらまともなプリアンプが欲しくなったので、作ることにしました。今回はそのアンプの音量調整の話です。


オーディオにおける音質劣化要因のひとつとしてボリューム(可変抵抗)があります。
音量調節に安いボリュームを使ったら、どうもかすれたような音になるのを実感したことがあります。さらに多連ボリュームは精度が良くないものが多く、チャンネルごとの音量差が気になることも…

ということで可変抵抗は使わず、固定抵抗を切りかえるタイプのアッテネータを作ったので紹介します。

まず接点数が多いロータリースイッチが必要になりますが、これが結構高いのです。4回路23ステップのロータリースイッチが欲しかったのですが、秋葉原の店で日本メーカーのものを買うと5000円以上かかります。もっと安くあげる方法は無いものか…
Aliexpressにありました。

4回路24ステップのショーティング接点で2000円、送料無料。
これを今年の1月6日に注文したら1月15日に到着しました。
その時のツイート↓


4回路スイッチですから、常に音声信号が抵抗2本だけを通るような2連アッテネータ(いわゆるL-pad式)を作ることもできます。しかし今回はバランス伝送対応のため4連アッテネータにしたいので、大量に直列接続した抵抗を切り替える方式にしました。

さてスイッチに抵抗をたくさん取り付けていくわけですが、 普通のアキシャルリード抵抗は大きすぎるのでゴチャゴチャになってしまいます。2012サイズのチップ抵抗をスイッチの足に直付けすることにしました。
抵抗値は以下のようにしてみました。合計約10kΩです。

番号抵抗値(Ω)減衰量(dB)
2315000
221000-1.41
211000-2.50
201000-3.74
191000-5.18
181000-6.92
17750-9.10
16620-11.18
15620-13.39
14390-16.36
13270-18.93
12270-21.29
11160-24.55
10100-27.28
9100-29.56
868-32.66
743-35.66
643-38.28
520-42.06
420-44.59
313-48.19
213-51.71
113-57.73
-∞

100Ωと1kΩは秋月電子で売られている進工業のRG2012、上の表中12番の270Ωはマルツで買ったLinkmanのLMFQ(スイッチの足間隔が広い箇所で、チップ抵抗が使えなかった)、それ以外はRSオンラインで買ったTE ConnectivityのCPFシリーズを使いました。
RSオンラインでは同じシリーズの抵抗でも抵抗値によって価格が違ったので、できるだけ安いものだけ使ってAカーブに近いものが作れるように定数を決めました。
こうして買い集めた92個の抵抗をはんだ付けしてできたのがコチラ。


リード抵抗を使うより信号経路が短いですし、見た目もスマートにできるのでオススメです。スイッチと抵抗を合わせて4000円程度でできました。

実はプリアンプは既に大方完成しており、このアッテネータも全く問題なく動作しています。プリアンプ本体についてはまた今度書こうと思います。

続きはこちら。
オーディオ用プリアンプの製作 (2) 安定化電源回路

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